新型コロナウィルス、全国39の自治体で緊急事態宣言が解除されましたね。手探り状態の中、私たちの生活を守る最適な手を、自ら選択して行かねばならない時代に突入します。
そんな中、不動産の考え方は、少なくとも私の中では大きく変わったように思います。考えが変わった中で、今回は「間取り」を取り上げてみたいと思います。まだ考えが変わっている最中なので、うまくまとまっていませんが、ご容赦ください。
1.「個」と「家族」
核家族化が進み、1世帯の人数が減少していると言われて久しいです。一般的に1世帯と言えば、夫婦と子供2人の4人家族、というイメージが強いでしょうか。 しかし、4人揃って過ごす期間というのは、おそらく20~30年です。仮に人生80年、社会人になるまでの約20年間を除いて60年のうち、半分です。結婚して、子供ができて、家族ができて生活する、という期間は、思っているよりも短いようです。4人家族を想定して、3LDKか4LDKの家を建てる、マンションを購入する、という考えが一般論。LDK20帖、夫婦の寝室8帖、子供の部屋5帖×2、いざというときの客間6帖、これで4LDK。こんな感じです。 普遍的な家を提供するというのは別に悪いわけではないのですが、今後はより「個」が強調される時代に突入するのかな、という思いがします。 趣味や勉強も多様化しています。誰にも干渉されずに、一人で黙々と没頭できる場所を子が求め、親も理解する、そんな話もより多く耳にするでしょう。
20~30年の間、家族として住まいする。それを目的として購入する、あるいは借りる家に、私たちは何を求めるでしょうか。
子供部屋一人5帖は、狭いかもしれません。
LDK20帖は、広すぎるかもしれません。
夫婦一緒より、別々の部屋を作ったほうがいいかもしれません。(・・・えぇっ!)
「家族のコミュニケーションがとりやすい」ということを強調する間取りが推進されてきた昨今、少しとがった間取りが編み出されるかもしれませんね。
2.「テレワーク」「個人商店」
コロナをきっかけに「自宅勤務」を初体験した人が多いと聞きます。個人事業や会社経営している人であれば違和感は無いのでしょうが、多くのサラリーマンは、何かしらの収穫を得られたのではないでしょうか。 「会社に行かなくても問題ないんじゃないか」「満員電車に揺られていたのがバカみたい」「通勤時間がなくなり、時間が有効に使えてうれしい」というプラスの発見ができた人も多いようです。 働き方も変わるかもしれません。単にテレワークが推進されるだけでなく、独立企業する人、転職する人もあるでしょう。
そうすると、自宅で作業するスペースが必要になります。経験上、家庭生活から隔離できるスペースが求められるでしょう。 家の中に作るか、家のすぐ近くに作るか。作ると言っても借りるという選択肢もあり得ます。
こう考えていくと自宅の間取りだけにとどまらずいろいろな発想が出てくるので、不動産屋としてはなかなか面白いイメージトレーニングになります。
3.「外界とのつながり」「個の確保」
少しハイレベルな問題提起になります。 昨今の流れとして「あいまいな空間づくり」が推進されていました。
リビングと個室の扉を設けず、家族の一体感を高める。
玄関土間を広くとり、アウトドアの要素をできるだけインドアに近づける。
庭を隣家との共有スペースとし、特に子育て世代を中心に、ご近所さん全体でみなの子育てを応援する。
こんな流れがあります。 『あいまいな日本の私』という大江健三郎さんの本を思い出します。とかく日本人の性格に合った造りと言えるのかもしれません。
個のスペースは必要最小限で、共有・共存・共用するスペースを広く用意することで、自身あるいは自分の家庭の生活コストを抑えつつ、周囲の協力・はたらきかけを得やすい環境が築けると思います。 個のスペースが足りないと思う人、例えば趣味がたくさんあり、あるいは勉強家で、モノがたくさんあるという人は、個のスペースを2つ、3つと確保すればいいわけです。
抽象的でわかりにくくいですね。簡単に言うと、荷物が少なくても生きていけるミニマリストならワンルーム1部屋で十分。足りない人は隣の部屋を2つ3つ4つ5つ・・・と確保できればいい、という考え方です。
ダメだ、全然まとまっていない・・・。