久しぶりの続きものです。
100日後に死ぬワニ
100日後に死ぬワニ その2
今回は3回目、最終回です。
3.「多くの人が送っても違和感がない」ような「日常生活」と、「万人共通の結末」である「死」がテーマ
これがビジネス的に興味深い、という点です。
みな「どうすれば幸せに生きられるか」ばかりを考えています。いわゆる「生き方本」がベストセラーでよく見かけるのは、このためです。もちろん、より多くの人の共感を得られる内容でないと、ベストセラーにはならないのでしょうけれども。
そのヒントの一つに、こんな話があります。 「ガンで余命宣告を受けた人は幸せだ」という医師の言葉があります。最近で言えば、新型コロナウィルスで亡くなられた志村けんさんのように、突然容態が悪化して自分でも気づかぬうちに亡くなる、ということもあります。自分の人生の終わりに、何の準備もできずにこの世を去る。大切な人、家族に別れの言葉や感謝の言葉を残すこともできません。
しかし「あなたはガンで、余命100日です」と言われたら、相当なショックを受けますが、死ぬ準備ができます。財産整理(不動産の整理は弊社にお任せ!)もできますし、家族や大切な人たちに別れの挨拶をすることもできます。だから、余命宣告を受けたら喜ぶべきことだ、と言うのです。
今回の主人公であるワニも、もし自分が100日後に死ぬことを知っていたら、かなり違う生活をしていたかもしれません。これまでと同じようにアルバイトに行くでしょうか?ゲームに没頭するでしょうか?好きな人に告白するでしょうか?ラーメンを食べに行くでしょうか?いや、私は行きたい。笑
人生には必ず終りがあることを知った上で、いつ終わりが来るかわからない残りの期間を、悔いのないように生きる、という間違いのない教訓であると思います。 これは間違いなく、世界中、どんな人にも共通するテーマです。死なない人なんて、いませんからね。 「死」という避けられない運命と何気ない日常を描いた4コマ漫画は、間接的に自分の姿、つまり、いつ来るかわからない「死」に背を向けて、うまくやっているように生き続けている姿をそのまま映し出しているのです。
それを4コマ目の最後に「死まであと〇〇日」と添えることで、何も考えていなかった人に考えさせられるきっかけを与えてくれた、多くの関心を生み出したのではないかと推察します。 なんだか、急に専門家らしいコメントになってしまいました。はい、ド素人です。
同時に「こんな儚い人生に、何の意味があるのだろう」「どう生きたところで、最後は結局死んじゃうんでしょ」というニヒリズム的な答えを導きかねないテーマでもあります。「100日後に死ぬワニ」は、そのワニの人懐っこさ(動物懐っこさ?)と、マンガ全体を包む桜の風景によって、うまくやんわりと軽減されているように思えます。 もしも「そんなこと別に考えなくてもいいよ」という人があれば、それは残念ながらワニと同じ末路となります。生きる意味を考えてこそ、ワニではなく、「人間」と誇れるのではないでしょうか。
世界中の人に共通するテーマを、より共感させ考えさせる作品として、一時のブームを作り出すことができたのだと思います。
不動産は、多くの人に共通するテーマを生み出すことは難しいですからね。一部の人に好まれるようニッチな分野に特化したり専門化する方向で事業展開する人が多いです。勉強になります!