連日報道されている能登半島地震。
不動産業界で支援できることは「すまいの提供」です。
仮設住宅の建設が始まっていても、すぐに避難所から出れるわけではありません。
お風呂に入るにも、少し離れた親戚の家まで足を運ぶ、という方もあるようです。
そこで、県内の賃貸物件の空室を「県が借り上げ」、実質無償で被災者に提供するという制度(賃貸型応急住宅制度)が先週から始まっています。
(石川県)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/chintaigata.html
(富山県)
https://www.pref.toyama.jp/1507/kurashi/seikatsu/sumai/tinntaigataoukyuu_notohanntou.html
富山県では、被害の大きかった氷見市と高岡市伏木にて、相談所が設けられていました。
(伏木は今週金曜日までやっています)
私は富山県宅地建物取引業協会より、12日(土)午前に、氷見市役所にて窓口を担当していました。
一番上の写真は、市役所内の床に入っていた「亀裂」です。
こんな相談票でヒアリング。
役所の人から聞くと、
・いま自分の住んでいるところから離れたくない人が多い
・ペットと一緒に住みたいので、普通のアパートでは難しい
という事情が多いそうです。
しかし、氷見市の賃貸物件は、ほぼ0になってしまいました。
射水市でもよければ、すぐに住める家やアパートを3件紹介できるのですが、離れたくない方が圧倒的に多いので、なかなか難しいところです。
今は県をまたいでの調整がまだのようで、富山県の空室物件で能登の被災者の方の受け入れはできていないようですが、速やかに対策が進められてほしいものです。
あとは、被災者の方のお気持ちでしょうか。
絶対に地元を離れたくない
→少し離れてでも今は揺れの少ないところで自分の生活を元に戻すべき
と心が変わっていただければ、楽になれそうに思います。
と言いつつも、なんとも言えない気持ちになった案件が1つ。
自分の家に、倒壊の恐れがあると赤紙を貼られてしまったご夫婦の相談を受けました。
今回の制度で、2年間は無償で賃貸物件に住めます、ということを説明した上で、
「たった2年だろ」
「2年なんかあっという間に経っちゃうよ」
「それ以降は家賃を払わなきゃいけないんだろ。そんな家賃なんか払えるかよ」
「なんでこんな目に合わなきゃいけないんだよ・・・」
「今、地震も落ち着いているからしばらくこのまま今の家に住むしかなさそうかな」
などなど言われ・・・。
専門家としては、なんとか軌道修正してほしい思いはいろいろありましたが・・・。
悔しそうな、やりきれない思いを感じ、これはアドバイスと言うより、きちんと聞いて受け止めてあげないといけないなと直感しました。
地震対応の保険には入っておられなかった様子で、県からの見舞金が当たる程度かな、厳しいな・・と内心思いつつ、今の家賃貸型応急住宅制度を活用して、2年の間にその後の住まい方を検討していただきたいと、そっと伝えました。
その後も相談を受け、高岡市のアパートを検討してみたい、という方が2名おられました。
お二人とも、単身+猫ちゃんという世帯。
ペット可の物件が本当に少なくて、不動産賃貸業界、もっと多様性を考えてほしいと願うばかりです。
本当に、時代遅れの業界なんです。
それでも、見てみたいと思われる物件が紹介できて、不動産エージェントの面目は保てたかと思います。
今年の自身のありかた、不動産エージェントとして85%以上の満足度、なんとかキープ、かな。